【高校生向け】「頑張りすぎていない?」

― 山﨑先生が読んだ『休息する技術』からのメッセージ ―

最近、脳神経外科医・菅原道仁先生の『休息する技術』を読みました。

この本を読んで感じたのは、「休むことも努力のうち」ということ。

頑張り続けることは素晴らしいけれど、“正しい休み方”を知らないと、努力が実らないのです。


◆ 疲れには3種類ある

菅原先生は、疲れを3つに分類しています。

「疲れは『自律神経の疲れ』『心の疲れ』『体の疲れ』の3種類に分けられる」

勉強が思うように進まないとき、ただ「やる気がない」と決めつけていませんか?

もしかしたらそれは「脳の疲れ」や「心の疲れ」かもしれません。

テストや模試のプレッシャー、スマホでの情報過多、睡眠不足…。

現代の高校生は、体よりも脳のほうが疲れやすいんです。


◆ 「休む=何もしない」ではない

本書にはこんな言葉があります。

「正しい休息とは、脳の疲れをとること」

「勉強に疲れたからスマホで動画を見よう」「SNSでちょっと息抜き」

――これ、一見“休んでいる”ようで、実は脳は休めていません。

SNSや動画アプリは、次々と情報が入ってくるため、

脳は“休息”ではなく“興奮状態”になります。

つまり、スマホを見ながら休むのは「パッシブレスト(消極的休息)」どころか、**“脳を酷使する休み方”**なんです。


◆ 「アクティブレスト」で頭をクリアに

ではどう休めばいいのか?

それが「アクティブレスト(積極的休息)」です。

「現代人は脳を使う機会が格段に増えており、パッシブレストだけでは疲れが取れない」

たとえばこんなことが効果的です:

  • 軽いストレッチや散歩をする
  • 1分だけ深呼吸や瞑想をする
  • 音楽を聴きながら目を閉じる

これだけで、脳の働きはリセットされます。

実際、私も授業や面談の合間に5分ほど歩くだけで、頭がスッキリして次の仕事に集中できることを実感しています。


◆ 勉強も「リズム」が大事

集中力の限界は約50分。

ずっと勉強し続けても、疲れた脳では吸収率が落ちていきます。

「人間の集中力は14分を3セット繰り返すと限界を迎える」

だから、勉強の途中で意識的に小休憩を入れることが大切です。

50分勉強したら10分休む、1時間ごとに体を動かす。

この“リズム”を作ることが、効率を上げる最大のコツです。


◆ スマホとの付き合い方を見直そう

夜、布団の中でスマホをいじっていませんか?

スマホの強い光は、脳に「まだ昼間だ」と錯覚させ、睡眠の質を下げてしまいます。

つまり、**「寝ているのに疲れが取れない」**状態をつくってしまうのです。

寝る30分前からはスマホを置いて、

軽くストレッチをしたり、目を閉じて深呼吸をしたりしてみてください。

それだけで翌朝の集中力が全く違います。


◆ 山﨑先生からのアドバイス

この本を読んで改めて感じたのは、

「休むことに罪悪感を持つ必要はない」ということです。

「頑張る」だけでは成果は出ません。

頑張る → 休む → 回復する → また頑張る

この循環を意識してこそ、成績も心も安定します。

スマホやSNSに休息を奪われるのではなく、

自分で“リセットする時間”をつくること。

それが、これからの受験期を乗り切る最大の「技術」だと感じています。


📘 参考文献

菅原道仁『休息する技術 ― 働きすぎで休むのが下手な人のための』(flier要約版)


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